列車と一緒にフェリーに乗り込む!渡り鳥ラインの旅
登山やランニング、サイクリングなど、体を動かす旅が好きっていうことで、ブログタイトルを『自力旅』にしていますが、実は乗り物の旅もとても好きです。
学生のころは、列車に揺られて日本や海外のあちらこちらを巡っていました。
4年前にデンマークへ行こうと思ったきっかけも『乗り物』でした。
ドイツのプットガルテン(Puttgarden)という町とデンマークのロービュ(Rødby)という町とは1本の列車で結ばれています。
ところが、この2つの町は直接は線路でつながっていません*1。
「は?」ですよね(^_^;)
この2つの町の間にはフェーマルン・ベルトという名の海峡があり、プットガルテンとロービュはフェリーで結ばれています。
そして、この間を走る列車は、なんと列車ごとフェリーに積み込まれるのです!
列車とともにフェリーに乗り込む体験がどうしてもしたくて、デンマークへ行くことに決めたのでした。
渡り鳥ライン(渡り鳥ルート)
渡り鳥コース(de:Vogelfluglinie,da:Fugleflugtslinien,en:bird flight line)はデンマークの首都コペンハーゲンとドイツ北部の主要都市ハンブルクを結ぶ交通幹線(回廊)である。中央ヨーロッパから北極やスカンジナビアへ渡りをおこなう鳥の重要なルートと重なるため名付けられた。
ドイツのハンブルクとデンマークのコペンハーゲンという2つの大都市を結ぶ渡り鳥ライン。
1日に4往復ほどの列車がこのルートで走っています。
そして、このルートの途中にプットガルテンとロービュの町があります。
上の地図で点線で示されているように、プットガルテンとロービュの町の間には線路がありません。
この区間、列車はフェリーに運ばれるわけです。
渡り鳥ラインの旅
2010年8月7日の朝、コペンハーゲン中央駅。
ドイツ版の新幹線ともいえるICEがホームにやってきました。
コペンハーゲン中央駅に停車中のICE
列車が船に乗り込むっていうだけでもすごいのに、その列車がドイツ版の新幹線なんてアンビリーバブルです。
詳しく言うと、この列車はICEの中でもICE TDという種類の列車だそうで、最高時速200kmのディーゼル車(電車では無い)。新幹線のイメージとはちょっと違います。。
参考:ICE TD - Wikipedia
ICEに乗車し、列車に揺られて2時間ほど。
お待ちかねのロービュの町に到着です。
ロービュの駅に停車した後、ゆっくりと前へ動き出し、徐々にフェリーの方へ近づいていきます。
そして、、、
フェリーの中へ、車と一緒にGO!!!
陸とフェリーの繋ぎ目
列車はフェリーの中で停車。
乗客は全員降ろされます。
こんなタラップで船内へ降りていきます
フェリーの中の列車。私にとっては新鮮な光景!
フェリーが海を渡る間は、列車を降り、船内あるいはデッキで過ごします。
デッキ
船内の様子
船内には大きな売店。免税でした(たしか…)
すれ違う船
この船の中にも列車が載っているんでしょうかねー
もちろん車も運んでいます
1時間弱の船旅でした。
ドイツのプットガルテンに到着し、列車は再びふつうに走り始めました。
線路はどこまでも続かない…
過去には日本でもあった車両航送(列車inフェリー)
列車をそのままフェリーに積むことを車両航送というようです。
そのうち、旅客用の列車を運ぶことは客車航送、貨物列車を運ぶことは貨車航送。
ヨーロッパでは客車航送が現在でも行われているが、日本では1948年12月 - 1955年5月11日までのごく短期間に行われたに過ぎない。当初は、1946年2月21日より運行を開始した連合軍専用列車「1101・1102列車」で開始され、一般の日本人が利用できるようになったのは1950年の急行列車「みちのく」からとされるが、1954年9月の青函連絡船の洞爺丸事故、1955年5月11日の宇高連絡船の紫雲丸事故により、相次いで廃止された。
列車と一緒に青函連絡船に乗って、北海道へ行くことのできた時代があるんですね。
なお、貨物列車をフェリーで運ぶ貨車航送は1988年まで見られたようです。
渡り鳥ルートの車両航送ももうすぐ廃止へ
列車をフェリーに載せる、やはり効率が悪いんでしょうね。
渡り鳥ルートの車両航送は、あと数年で無くなるようです。
フェリーに替わる横断交通として、フェーマルン・ベルト海峡を跨ぐフェーマルン・ベルト橋の建設計画がある。デンマーク・ドイツ両政府の交渉で2018年までに基本的にデンマークの資金提供により橋を完成させることで合意している。
私は、橋の建設計画があるということを知り、この車両航送が無くなるまでにどうしても乗ってみたかったので、デンマークへ行くことにしました。
もし渡り鳥ルートでこの体験をしてみたい方はお早めに。。
なお、ドイツーデンマーク間の車両航送が廃止された後も、イタリア・シチリア島への路線などで、列車とともにフェリーに乗る旅を楽しむことはできます。
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*1:別の遠回りするルートではつながっています