日米航空交渉が合意。羽田−アメリカ線の枠配分と就航先を予想してみる
昼間時間帯に羽田−アメリカ路線が就航へ
本来は、2014年の春に羽田から昼間時間帯にヨーロッパや東南アジアへの便が飛ぶようになったタイミングで、アメリカへの路線も開設されるはずでした。それが、話がこじれにこじれて、未だに羽田からのアメリカ路線は深夜早朝時間帯のみ。これが、2016年の秋からようやく開設されることに決まったというお話。
ここまで話がこじれたのは、デルタ航空が納得しなかったから、で間違いないでしょう。ここでは詳しく説明しないですけど、羽田の国際化が”中途半端に”進んで一番不利を受けるのはデルタ航空であるのは明白なので、デルタがゴネてきたのも仕方ないでしょう。
で、今回の決定により、2016年秋以降に、羽田から昼間時間帯に10便のアメリカ行きの便が設定されることになりました。 10便というと「けっこう増えるな〜」と印象ですが、実際には深夜早朝時間帯の便が8便から2便に減るので、結局8便から12便へとわずかに4便増えただけということになります。このあたりにデルタへの配慮が感じられますね。
各航空会社への枠配分は?
注目の枠配分ですが、日本とアメリカで半々ずつになるということです。昼間時間帯で5便ずつ、深夜早朝時間帯で1便ずつですね。
まず、日本側は、例によって、ANAに有利に配分されるでしょう。昼間時間帯はANA3便、JAL2便でしょう。問題は、深夜早朝時間帯1便がANAに配分されるかJALに配分されるか。来年からJALの新規路線開設の制限が解かれることを考えると、その前にANAへサービスしておこうとなるかもしれないですね。ANAが4(3+1)便、JALが2便かな。
アメリカ側は、デルタへの”お詫び”に昼間便を2便分け与えるかなと思います。あと、JALがANAより不利に分け与えられるのを、JALのパートナーであるアメリカンへ昼間1便に加えて深夜早朝1便を配分して調整するのではないでしょうか。残りはユナイテッドとハワイアンが1枠ずつ。
就航先は?
各航空会社のメリットを考えると、それぞれの就航先は次のようになるのではないかなと思います。
航空会社 | 現状 | 2016年秋以降 |
---|---|---|
ANA | ロサンゼルス ホノルル |
ニューヨーク シカゴ ホノルル ロサンゼルス(a) |
JAL | サンフランシスコ ホノルル |
ニューヨーク ホノルル |
デルタ | ロサンゼルス | ニューヨーク ロサンゼルス |
アメリカン | ロサンゼルス | ロサンゼルス(a) ダラス |
ユナイテッド | サンフランシスコ | サンフランシスコ |
ハワイアン | ホノルル | ホノルル |
(a):深夜早朝時間帯の利用を想定
ANAはロサンゼルスの代わりにワシントンD.C.かヒューストンの可能性もあるでしょうか(この場合はホノルル便が深夜早朝枠)。アメリカンのダラスも怪しいところです。代わりにシカゴもあり得るかと。デルタもニューヨークの代わりにデトロイトやアトランタ、シアトルもあるかもですね。
いずれにしても、羽田から昼間にアメリカ便が飛ぶようになると関東西部や地方(羽田乗り継ぎ利用)の人は便利になりますね。自力旅の可能性も広がります(笑)