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自力旅 旅のお供はカメラとGPS

ランニング、登山、自転車、街歩きなど、「自力」で楽しむアクティブな旅。国内&海外の「自力旅」を写真とGPSで記録していきます。

ANAが羽田−ニューヨーク線・シカゴ線を開設するメリット

移動手段
f:id:tabi_light:20160607092132j:plain 前回のエントリーでも書きましたが、ANAが羽田からニューヨーク・シカゴへの便を開設することになりました。このニュースから色々と想像を膨らませてみました。

この秋から開設される羽田−アメリカ線。ANAは既存のロサンゼルス・ホノルルに加えて、ニューヨーク・シカゴ線を開設することは、前回のエントリーで紹介しました。

jiriki-tabi.hatenablog.com

このエントリー内で、

羽田から新たにニューヨーク、シカゴへと飛ばすANA。都心に近い羽田から飛ぶようになるから、利用者が便利になる、確かにそうですが、話はそんなシンプルなものではないと思っています。羽田からのニューヨーク、シカゴ路線の開設は、ANAとその利用者にとってもっと大きなメリットにつながるんじゃないかなーと考えてます。このあたりの話は次回のエントリーに回します。

と書いた通り、ANAが羽田−ニューヨーク線・シカゴ線を開設するメリットを考えてみました。

現在のANAの成田−ニューヨーク・シカゴのスケジュール

羽田−ニューヨーク線・シカゴ線のメリットを考える上で、まずは現在の成田発着のニューヨーク線・シカゴ線のスケジュールを見てみましょう。以降、ニューヨーク線で話を進めますが、シカゴ線も同様の話になります。

現在(2016年夏スケジュール)のANAの成田−ニューヨークですが、下記のようになります。

発地 発時刻 便名 着時刻 着地
成田 11:00 NH10 10:45 ニューヨーク
成田 16:40 NH104 16:25 ニューヨーク
発地 発時刻 便名 着時刻 着地
ニューヨーク 12:30 NH9 15:25 成田
ニューヨーク 18:05 NH103 21:00 成田

※ユナイテッド運行のコードシェア便でニューアーク行便がもう1往復ありますが、こちらは割愛します。

このようにANAはニューヨークへ2往復を運行しているわけですが、単に利用者が多いという理由だけで2往復を運行しているわけではありません。

ANAは北米とアジアとの乗り継ぎ需要を取り込もうとしています。そして、13:00〜19:00にかけての時間帯に北米便とアジア便の出発・到着を集中させることで、乗り継ぎ客が使いやすいようなスケジュールとしています。

先の成田−ニューヨークを例にとって、乗り継ぎ可能な就航先をリストアップしてみます。

アジア→ニューヨーク

乗継可能都市 NY行成田発時刻 NY行便名
シンガポール
バンコク
ホーチミン
ムンバイ
ヤンゴン
11:00 NH10
シンガポール
バンコク
ジャカルタ
マニラ
クアラルンプール
デリー
香港
北京
上海(浦東)
広州
成都
台北(桃園)
瀋陽
武漢
16:40 NH104

ニューヨーク→アジア

NY発便名 NY発成田着時刻 乗継可能都市
NH9 15:25 シンガポール
バンコク
ホーチミン
ジャカルタ
マニラ
クアラルンプール
デリー
香港
北京
上海(浦東)
広州
成都
台北(桃園)
瀋陽
武漢
NH103 21:00 なし

ご覧の通り、乗り継ぎに便利なのは、ニューヨーク行NH104便とニューヨーク発NH9便になります。NH104便とNH9便の1往復だけではニューヨークでほぼ丸1日飛行機を寝かしておくことになってしまうので、乗り継ぎをスムーズにしつつ、かつ飛行機を効率的に運用するために1日2往復飛ばしていると考えられます。

往復2便ずつある東京−ニューヨーク便、それぞれの便の客層

僕はANAのニューヨーク便には乗ったことがありませんが、上述の内容をふまえると、往復2便ずつあるニューヨーク便のそれぞれの便の客層が見えてきます。

NH104便とNH9便は、アジア−ニューヨークの乗り継ぎが便利なので、ニューヨークへ出かけるアジアの客と、アジアへ出かけるニューヨークの客が多いと想像できます。もちろん日本人もいるでしょうが、数は他のANAの国際線と比較すると少なめなのではないでしょうか。

逆に、NH10便とNH103便は、日本人が多めだと想像できます。NH10便は成田を朝に出る便で、NH103便は成田に夜に着く便なので、ニューヨークでの滞在時間を多く取れるのも、日本の利用者にとっては便利です。

運行スケジュールから客層を想像して、実際に乗ってみて正解を確かめるってのもなかなかおもしろい遊びだと思いますが、どうでしょうか(笑)

ANAの羽田−ニューヨーク線のスケジュールは?

ANAの成田−ニューヨーク線の2往復がそれぞれ役割が違うということを考えると、羽田−ニューヨーク線のスケジュールも容易に予想できます。

なお、成田線を維持したまま増便する形で羽田線を開設する可能性もゼロではないですが、成田の2往復のうち1往復を羽田へ「移す」ことを前提として話を進めます。

上述の通り、現在の成田線のNH104便とNH9便は、アジア−ニューヨーク間の乗り継ぎ用なので、これらの便のスケジュールは変更しないでしょう(それとも、小変更か)。そして、残りのNH10便とNH103便について時間帯はほぼ同じにしたまま羽田に移すと考えられます。

羽田−ニューヨーク線のスケジュール(予想)

発地 発時刻 着時刻 着地
羽田 11:00 10:45 ニューヨーク
成田 16:40 16:25 ニューヨーク
発地 発時刻 着時刻 着地
ニューヨーク 12:30 15:25 成田
ニューヨーク 18:05 21:00 羽田

実際、プレスリリースには、羽田−ニューヨーク線は、朝羽田発、夜羽田着で開設すると書かれています。

羽田を朝に出発して夜に帰着することにより、現地滞在時間を長く確保できる、利便性の高い運航ダイヤを予定しております。
北米及び中南米へのネットワーク拡充について|プレスリリース|ANAグループ企業情報

結果、羽田からニューヨークへやってきた飛行機は成田へ帰り、成田からやってきた飛行機は羽田へ帰るという、興味深い運用になるのではないかなと予想しています。

ANAがニューヨーク線を成田から羽田に移すメリット

さて、ようやく本題。羽田にニューヨーク線を移すメリットです。

一旦、ANAの立場でメリットを考えてみます。

メリット1:東京−ニューヨーク間の輸送の競争で優位に立てる

成田より都心に近い羽田から便が設定されれば、東京の利用客(特に首都圏西部の人)や東京を訪れる客にとって便利になります。ANAにとっては、成田線よりも競争で優位に立てるので、高い価格を設定できます。

羽田に移すと予想される現在のNH10便とNH103便は、もともと東京−ニューヨークを移動する客向けの便なので、これを羽田に移せて、競争力を上げられるというのは、ANAにとってはまさに「ちょうどいい!」といった感じじゃないでしょうか。

メリット2:日本地方都市−ニューヨーク間の乗り継ぎ需要を取り込める

ご存知の通り、成田と比べると、羽田からは日本の多くの地方都市への路線が設定されているので、地方の利用客、または地方を訪れる客にとっても、成田から羽田へ便が移ることによって便利になります。

ただ、NH10便とNH103便の時間のままだとすると、羽田発11:00、羽田着21:00なので、これに乗り継げる国内線は限られてしまいます。特にニューヨーク便→国内線は当日中に乗り継げる便はほぼなさそうで、多くの都市へは一泊する必要がありそうです。

とはいえ、成田からの国内線が飛んでいないような都市では、これまでは「成田から羽田へ移動してかつ一泊する必要がある」というようなこともあったかと思いますので、それに比べれば「移動なしで羽田で一泊」になるだけでも十分なメリットがありそうです。

ANAにとっては、日本の地方都市−ニューヨーク間を移動する客を、ソウル経由などから少しは奪うことができるのではないでしょうか。

アジア主要都市−北米の移動客に成田経由と羽田経由の2つの選択肢を提示できる

実はこのメリットがANAにとって一番大きいのではないかと思っています。

ANAは現在、深夜早朝枠で羽田からシンガポール、バンコク、上海浦東、香港(週末のみ)へ飛ばしていますが、ニューヨーク線・シカゴ線を羽田に移すことにより、これらの羽田便との乗り継ぎができるようになります。

ニューヨーク線の例では、現在でも成田の朝の時間帯で、シンガポールやバンコクなどの都市からNH10へ乗り継ぐことは可能なので、これら都市からニューヨークへは1日2便の選択肢があります。しかし逆にニューヨークからではNH103からは乗り継ぐことができないので、1日1便しか選択肢がありません。

この状況に対し、NH10便とNH103便が羽田へ移ることにより、シンガポール・バンコクからニューヨークへも、ニューヨークからシンガポール・バンコクへも、両方向で1日に2便の選択肢を提供することが可能になります。

アジア→ニューヨーク(2016年秋以降・予想)

乗継可能都市 時間帯 乗り継ぎ空港
シンガポール
バンコク
上海(浦東)
香港(土・月の朝のみ)
ジャカルタ
羽田
シンガポール
バンコク
ジャカルタ
マニラ
クアラルンプール
デリー
香港
北京
上海(浦東)
広州
成都
台北(桃園)
瀋陽
武漢
夕方 成田

ニューヨーク→アジア(2016年秋以降・予想)

乗り継ぎ空港 時間帯 乗継可能都市
成田 夕方 シンガポール
バンコク
ホーチミン
ジャカルタ
マニラ
クアラルンプール
デリー
香港
北京
上海(浦東)
広州
成都
台北(桃園)
瀋陽
武漢
羽田 シンガポール
バンコク
上海(浦東)
香港(金・日の深夜のみ)

ANAの中期戦略には、

成田の夕方、羽田の午前・深夜と、首都圏で1日3つの乗り継ぎダイヤの集中時間帯を構築します
2016~2020年度 ANAグループ中期経営戦略について | プレスリリース | ANAホールディングス株式会社

という文言がありますので、ANAもこの羽田経由のアジア−北米間の移動需要に期待しているのではないでしょうか。

僕たち日本の旅人が受ける恩恵

日本の利用者にとって、上記のANAのメリットは利用者視点でそのまま置き換えられます。

首都圏西部に住む人にとっては、羽田空港からニューヨーク線・シカゴ線が使えて便利になります。やっぱり羽田は近いです。横浜あたりの人は特にそう思うのではないでしょうか。

成田への便が飛んでいない地方の在住者にとっては、羽田経由で北米へ行くという選択肢が増えます。帰りは羽田で1泊は必要かもですけどね。

3つ目のアジア−北米間の乗り継ぎの選択肢が増える点については、一見、日本の利用者にはメリットが無いように思えます。でも、長い目で見ると、メリットが出てくるのではないでしょうか。東京経由でのアジア−北米間の乗り継ぎが定着してくると、成田・羽田からの北米線やアジア線がさらに拡充していくと思われます。すでに、ANAは来年から成田−メキシコシティー線を開設すると発表していますが、これに加えて、

  • 羽田−香港深夜便のデイリー化
  • 羽田−ホーチミン線の深夜早朝帯での開設(ベトナム航空との提携も決まったしね!)
  • ニューヨーク線の羽田1往復+成田2往復=3往復化(3往復目のニューヨクの空港はJFK空港ではなくニューアーク空港だったりする?)

あたりは近いうちに起こりえそうです。特に、羽田の深夜便は、旅行に出かける際に時間を効率的に使えて素晴らしいなーと思っているので、拡充が実現してほしいものです。

想像ばかりのエントリーでしたが、実際にどうなっていくのでしょうか。楽しみです。