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自力旅 旅のお供はカメラとGPS

ランニング、登山、自転車、街歩きなど、「自力」で楽しむアクティブな旅。国内&海外の「自力旅」を写真とGPSで記録していきます。

ブルートレイン『北斗星』が廃止へ…古き良き夜行列車の旅をするのが難しくなってきた

たまには乗り物旅

http://www.flickr.com/photos/47626742@N07/6011126327

photo by t-mizo

昨日のニュースで、上野と札幌を結ぶ寝台特急の『北斗星』が来春で廃止の予定であることが伝えられました。
北海道新幹線の開業までには廃止されるとうわさされていましたが、噂通りに廃止となるようです。

私は旅の移動手段として、夜行列車が一番好きです。
なので、日本の夜行列車が風前の灯火になっているこの状況は、とてもさみしいです。

このエントリーでは、私が思う夜行列車の旅の魅力を、日本の夜行列車の現状とともに書いていきたいと思います。

 

日本の夜行列車の現状

現在(2014年12月)、毎日運行している日本の夜行列車はたった3つ*1しかありません。

  • 上野と札幌を結ぶ特急『北斗星』
  • 東京と出雲市および高松を結ぶ特急『サンライズ出雲』『サンライズ瀬戸』
  • 青森と札幌を結ぶ急行『はまなす』

これに加えて、2日に1便くらいの頻度で運行しているのが以下の2つ。

  • 上野と札幌を結ぶ『カシオペア』
  • 大阪と札幌を結ぶ『トワイライトエクスプレス』

以上の5つの列車が時期に関係なく走っている夜行列車です。
5つのうち、4つが札幌発着ですね。

私が子供だった20年ほど前には、九州へも東京から、大阪から多くの夜行列車が出ていましたが、今では九州への夜行列車はゼロです。

夜行列車が減ってしまった理由は、飛行機や夜行バスに客を奪われ、採算が合わなくなったからというのが主な理由とされています。
現在まで残っている5つのうち、『はまなす』についてはよくわかりませんが、他の4つは確かに人気が高い列車ばかりです。

札幌へ向かう、『北斗星』『カシオペア』『トワイライトエクスプレス』は、豪華列車として知られています。
北海道という多くの人にとって特別な土地への旅行ということで、豪華に列車旅で行こうという人が多いのでしょう。
また、北海道への公共交通機関が他には飛行機とフェリーしかないという事情もあるはずです。

http://www.flickr.com/photos/41746318@N05/5154280294

photo by Akinori YAMADA

『サンライズ出雲』については、出雲大社のパワースポットとしての人気もあり、女性に人気が高いようです。
車両が比較的新しいのも人気の理由のようです。

豪華寝台特急でオシャレ&ロマンの旅 - しまね観光ナビ豪華寝台特急でオシャレ&ロマンの旅 - しまね観光ナビ

青森―札幌の『はまなす』については、津軽海峡を渡ることになるので、夜行バスが競合となりえないため、一定の需要があるのでしょう。

 

こうした中、昨日『北斗星』の廃止が伝えられました。

なお、『トワイライトエクスプレス』も来年3月での廃止が伝えられています。
また、『カシオペア』については、2015年度中の廃止がうわさされており、『はまなす』も近いうちに廃止になるでしょう。

なぜ、ここにきて一気に札幌への夜行列車が廃止になりそうかというと、2016年春とされる北海道新幹線の開業が控えているからです*2

北海道新幹線は、青函共用区間において在来線と同じ線路の上を走行することを想定している。東海道や山陽など現在の新幹線は、レールなどの保守作業を行う時間として深夜0時から 朝6時まで運行していないため、このルールを青函共用区間に当てはめると、寝台列車も0時から朝6時までは通過できないことになる。

出典:トワイライト廃止で気になるカシオペアの行方 | 鉄道最前線 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

新しく走る北海道新幹線は、現在『北斗星』などの在来線の列車が走っているのと同じ青函トンネルを通って北海道へと渡ることになります。
新幹線のメンテナンスの時間が必要だから、夜行列車を運行している時間の余裕がないということですね。

また、新幹線の開業に伴い、トンネル内の電圧が変わるため、現在使っている機関車が使えなくなるというのも理由だそうです。
この理由から行けば、夜行列車用の新しい機関車を造らない限り、『カシオペア』も『はまなす』も確実に新幹線の開業までには廃止されるということですね。

北海道新幹線の開業とともに、いつでも乗れる*3夜行列車は『サンライズ出雲』『サンライズ瀬戸』だけになるのが濃厚です。

日本の夜行列車は、もはや風前の灯火です。

 

夜行列車の旅の魅力

冒頭に書いた通り、私は夜行列車の旅が大好きです。

でも、夜行列車に乗るのが好きなわけで、夜行列車そのものが好きというわけではないので、列車の最後の運行日に駅に集まって「さよなら~」って叫んでいる人たちの気持ちはあまりよくわかりませんが…(^_^;)

ここでは、私が思う夜行列車の魅力について述べたいと思います。
700km、800kmを超えるような遠距離の移動手段という意味で、飛行機や新幹線、夜行バスの旅との比較を交えて書いていきます。

 

1. 行き先を見ているだけで楽しい

夜行列車に乗る前、電光掲示板に表示される行き先を見ているだけで楽しいです。
例えば、『北斗星』の場合、上野駅の案内板に「札幌」と出るわけです。
「この列車が札幌まで連れて行ってくれるのか」と思うとワクワクしてきます。

夜行列車の行き先は、通勤・通学の列車に交ざって現れるので、より輝いて見えたものです。

これは、列車に乗らなくても同じ。
社会人になるまで名古屋に住んでいた私は、よく名古屋駅を利用していましたが、夜になると、時々、「熊本」とか「大分」っていう行き先を見かけました。
これに乗ったら九州まで行けるのか、と思うと、旅に出たくなる衝動に駆られました。

もっと昔の新幹線が開業して間もない頃であれば、東京から数多くの夜行列車が出ていました。
見つけた記事に、1974年10月に運行されていた、東京発大阪・九州方面の夜行列車の一覧が書かれていました。

10:00 急行「桜島」「高千穂」 西鹿児島(鹿児島本線・日豊本線経由)
16:30 寝台特急「さくら」 長崎・佐世保
16:45 寝台特急「はやぶさ」 長崎・西鹿児島
17:00 寝台特急「みずほ」 熊本
18:00 寝台特急「富士」 西鹿児島(日豊本線経由)
18:20 寝台特急「出雲」 浜田
18:25 寝台特急「あさかぜ」1号 博多
18:55 寝台特急「あさかぜ」2号 博多
19:00 寝台特急「あさかぜ」3号 博多
19:25 寝台特急「瀬戸」 宇野
21:30 寝台急行「紀伊」「銀河」1号 紀伊勝浦・大阪
22:45 寝台急行「銀河」2号 大阪
23:30 普通 大垣

出典:Yahoo!ニュース - 「ブルートレイン」は死語に? 「クルーズトレイン」が物語る夜行列車廃止の理由 (乗りものニュース)

これだけの行き先が案内板に並んでいたら、旅に出たくてなってしまって大変でしょうね(^_^;)

この感覚、今だと、空港で楽しめますよね。
色んな行き先が並んでいて、見ているだけで楽しいです。特に国際線!

新幹線の行き先は、遠くの場所が並んでいますが、ワンパターンで面白くないです。

 

大宮駅/Omiya Station
大宮駅/Omiya Station | Flickr - Photo Sharing!

 

2. じっくり楽しめる車窓の風景

夜行列車の大きな楽しみの一つは、車窓の風景です。

夕暮れ、夜、日の出。
どの時間の眺めにもそれぞれの良さがあります。

『トワイライトエクスプレス』から見る、日本海の夕焼けなんて、とても美しいです。
朝の函館湾の眺めも素晴らしいでしょうね。

 

twilight express
twilight express | Flickr - Photo Sharing!

 

夜行列車の走る速さは風景を眺めるのにちょうどいいです。
新幹線は速すぎて、外を眺めていると目が疲れます。
飛行機、空からの眺めもきれいですが、地上からの風景とは別物ですよね(^_^;)
夜行バスは、窓のカーテンを開けると他の乗客の迷惑になるので、景色を見ることができません。

夜は寝なきゃいけないので風景を見てる場合ではないのですが、夜行列車とはいえ明るい時間もけっこう走ります。
『北斗星』&『カシオペア』は16~18時間。『トワイライトエクスプレス』にいたっては22~23時間も走ります。
昼の景色もじっくり楽しめるわけです。

 

3. 朝起きると見知らぬ遠くの土地にいるという不思議な感覚

寝た時には仙台だったのに、目が覚めたら北海道にいた。
まるで夢を見ているようです。

冬の北海道行きの夜行列車の場合、目が覚めたら雪景色、ってこともあるでしょう。

これは、夜行バスの旅でも同じように味わうことができますね。
ただ、夜行バスの場合、寝れていないと、目覚めが最悪で、景色どころじゃないかもしれませんが…(^_^;)

 

4. 旅先に着くまでのワクワク感、旅先から帰る時の余韻

上述の通り、北海道への夜行列車の場合、半日以上かかります。
時間がかかるからこそ、列車に乗っている間に旅について色々思いを巡らせることができます。
複数人での旅行の場合、この旅行についてワイワイ話すのも楽しいですね。

旅行の行きに乗る場合は、通り過ぎる駅を眺めながら徐々にテンションが上がってきます。
一方で、帰りの場合は、徐々に遠ざかる旅の目的地を思いつつ、旅の余韻を味わうことができます。

夜行列車に乗る時間は、日々の生活という『現実』と旅行という『非現実』の間を行き来するのにちょうどいい時間だと思います。

これが、飛行機や新幹線だと速すぎるんですよね…
あっという間に目的地について、あっという間に家に帰ってきちゃう。
海外旅行の場合は、飛行機に乗っている時間が長いので、ちょうどいいのですが。。

 

移動の楽しさを知る場が減っていく…

私は、両親が旅行好きだったおかげで、子供のころに何度か北海道や九州へ夜行列車で出かけたことがあります。
そんな中で、上に挙げたような夜行列車の旅の良さを知りました。
そして、移動というものが楽しいということも知りました。

今では、夜行列車の旅に限らず、どんな移動でも楽しいと思えます。
なので、高速バスを乗り継ぐというような、人が苦痛にしか思えないような旅でも楽しむことができます(笑)

関連エントリー:

西日本高速バスの旅。計5本の高速バスを使って名古屋と福岡を往復した - 自力旅 旅のお供はカメラとGPS

 

これが、はじめから夜行バスの旅だったら、しんどい思い出しか残らず、移動がきらいになっていたかもしれません。
新幹線や飛行機で旅行を覚えたら、『移動』というものはある場所からある場所を単に移るだけの行為。その途中の過程はどうでもいい、速ければ速いほどいい、安ければ安いほどいい、となっていたかなと思います。

もちろん、夜行列車だけが移動の楽しさを知れる場だとは思いませんが、夜行列車が無くなっていくことで、楽しさを知る機会が減っていくのだろうなと思います。

そういう意味で、JRにはできるだけ夜行列車の旅という"文化"を残してほしいとずっと思っていたのですが、なかなかそうはいかないみたいですね。
株式会社というのは、利益が最優先ですから。

 

JR九州の『ななつ星in九州』とか新しい夜行列車が出てきているじゃないか、という人もいるかもしれませんが、『ななつ星in九州』のようなクルーズトレインは別物だと思っています。
上で挙げた夜行列車の旅の魅力のうち、クルーズトレインにあるのは、2の風景の楽しみだけです。
関東にいる人が乗りに行くには、福岡まで飛行機か新幹線で行くわけですからね。。

クルーズトレインは、昔、若いころに夜行列車の旅をした頃の思い出に浸りたい、という人に最適な列車だと思います。

The Seven Stars departing from Bungo-Mori Station
The Seven Stars departing from Bungo-Mori Station | Flickr - Photo Sharing!

 

これからの夜行列車の旅

北海道新幹線が開通してしまうと、残る日本の夜行列車はおそらく『サンライズ出雲』『サンライズ瀬戸』だけになるでしょう。
これらの列車は、車両が比較的まだ新しいので、しばらくは運行され続けると思います。
一度、サンライズに乗って旅に出てみたいです。
ただ、名古屋には止まらないので、名古屋に住んでいると使いづらいのですが…

 

あとは、海外で夜行列車に乗るという手もあります。
上に挙げた魅力のうち、旅の行きと帰りという意味では飛行機になってしまうので、4は違いますが、1~3は味わうことができるでしょう。

ヨーロッパではまだまだ色んな路線で夜行列車が活躍しています。
ヨーロッパの夜行列車の魅力は、朝起きたら別の国にいる、っていう体験ができることですね。
これは素敵な体験です。

アジアでも各地に夜行列車が残っていますね。
アジアの場合は、まだ高速鉄道の整備が進んでおらず、列車の所要時間が長くなるので、長距離列車の場合はどうしても日を跨いでしまうという感じでしょうけど。
インドの鉄道旅とかやってみたいですけど、なんかちょっと怖い…(-_-)

 

ヨーロッパ鉄道旅行2015 (イカロス・ムック 羅針特選ムック)

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まとめ

日本では夜行列車の旅を楽しむことがだんだんと困難になってきました。
移動の魅力を知る機会が減ってきている状況は、とても残念です。
とはいえ、これも時代の流れ、仕方のないことでしょうね。

これからは、サンライズか海外で夜行列車の旅を味わいたいと思います。

 

最高に贅沢な旅 憧れの寝台列車 (JTBの交通ムック)

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完全保存版 寝台列車トラベルガイド

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*1:『サンライズ出雲』と『サンライズ瀬戸』はここでは1つの列車としてカウントします。以下同様

*2:『トワイライトエクスプレス』については北陸新幹線の金沢延伸も影響しています

*3:定期列車という意味で