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自力旅 旅のお供はカメラとGPS

ランニング、登山、自転車、街歩きなど、「自力」で楽しむアクティブな旅。国内&海外の「自力旅」を写真とGPSで記録していきます。

南アルプス『鳳凰三山』で落雷に遭遇。夏の登山の恐ろしさを知る

登山 鳳凰三山登山

 

2012年8月18日。

山梨県南アルプス鳳凰三山』。

 

メンバー4人で、鳳凰三山に登山をしたのですが、とても恐ろしい体験をしました。

メンバーの一人が雷に打たれたのです。

雷が直撃したわけではありませんでしたが、どうやら「側撃雷」という現象が起きたようです。

 

落雷を受けた樹木等のそばに人がいると、その樹木等から人体へ雷が飛び移ることがあります(「側撃雷」といいます)。

(引用:気象庁|「雷」による災害

 

この時の様子を記していきます。

 

 

この日の行程は、夜叉神峠登山口から薬師岳小屋まで。

およそ6時間の登山でした。

 

スタート地点の夜叉神峠登山口を出発したのが、7時35分。

この日の天気予報が曇りのち雨だったこともあり、なるべく早めに薬師岳小屋にたどり着きたい、との思いとともに山に入っていきました。

 

 

夜叉神峠登山口

 

登山口からは、まずはしんどい登り。

1.5kmで350mほど登ります。

ここを45分ほどで登り切り、夜叉神峠に到着します。

 

夜叉神峠

 

夜叉神峠からは、木々の中を尾根沿いに行きます。

 

 

 

 

夜叉神峠から約3時間。

南御室小屋(みなみおむろごや)に到着。

南御室小屋のホームページ:鳳凰三山 薬師岳小屋・南御室小屋

 

南御室小屋

 

南御室小屋に到着したのが11時半。

このころは、まだ晴れ間もあったので、薬師岳小屋まで雨に降られずに済むかも、ラッキー、と考えていました。

 

すでにスタートから3時間半以上経過していることもあって、空腹。

ここで、昼ご飯にします。

 

ゆっくり腰かけておにぎりなどを食しているうちに、だんだんと積乱雲が出てきました。

「あぁ、嫌な雲が出てきたな。」

 

南御室小屋から薬師岳小屋へはおよそ1時間。

運が良ければ雨に降られずに済む、悪くても少し雨に降られる程度だろうと思い、慌てて昼食を切り上げ、薬師岳小屋に向かうことにします。

しかし、この判断が間違いでした

 

薬師岳小屋は、薬師岳の手前。南御室小屋から薬師岳小屋までは2kmもない距離でした

 

南御室小屋を出て、10分くらい経った頃でしょうか。

雨が降りはじめます。

 

「もう、降り始めたか・・」

 

慌ててレインコートを着ます。

しかし、引き返すことはしませんでした。

あと50分行けば、薬師岳小屋に着ける。大丈夫。

 

しかし、徐々に雨は強くなり、雷鳴がとどろき始めます。

これが、南御室小屋からすぐのところであれば、引き返すことも検討しますが、すでに3分の1程度進んでしまっていました。

もう前に行くしかありません。

 

さらに雨は強くなります。

雷もずいぶん近くなってきました。

 

このあたりの登山道は林の中。

林の中を進んでいるうちは、たとえ雷が落ちたとしても、木に落ちるだろうと考え、少しずつ前に進むことにしました。

 

そして、、林の中の道を進んでいくと、ふと前方の視界が開けました。

 

なんとこのタイミングで、森林限界に到達してしまったのです。

 

次の瞬間、けたたましい轟音とともに、目の前に閃光が走りました。

 

http://www.flickr.com/photos/36519414@N00/3566015456

photo by ComputerHotline

※写真はイメージです。当然ですけど(^_^;)

 

その衝撃に思わず頭を抱え、うずくまりました・・

 

頭を上げると、前方で一人倒れていました。

一番前を歩いていたメンバーでした。

 

声をかけると、彼は立ち上がりました。

 

慌ててメンバー全員で林の中へと逃げ戻り、林の中のくぼんだ所に身をかがめます。

 

そして、先ほど倒れていたメンバーに話を聞くと、「雷に打たれた」と。

普通に動いているので、はじめは冗談を言っているのかと思いましたが、どうやら現実。

「右半身に痛みが走り、しばらくは動けなかった」とのこと。

持っていた傘に「側撃雷」が落ちたようです。

 

とりあえずは、無事そうなので安心しましたが、このまま林の中にいるわけにもいきません。

早いうちに小屋まで行って、彼の様子を見る必要がありました。

私自身も、雨で体も冷えてきており、一刻も早く小屋にたどり着きたかったです。

 

ここから薬師岳小屋まではわずか15分ほど。

しかしながら、先ほどこの目で確認したように、森林限界に達しているので、避雷針代わりになるものが無い中を進まないといけません。

今度は雷が直撃する可能性も十分考えられました。

 

林の中に身を隠すこと15分。

雨はあいかわらず強いままでしたが、雷は少しずつ遠くに離れて行っているようでした。

意を決して、小屋を目指すことにしました。

 

全員、傘をさすのはやめ、必死に小屋を目指しました。 

 

離れていっているとはいえ、あいかわらず轟く雷鳴。

行く手に立ちはだかる「砂払岳」という岩山。

 

できるだけ身をかがめて、この岩山を越えていきました。

全く生きた心地がしませんでした。

 

f:id:tabi_light:20140728142353j:plain

Google maps衛星写真で見ると、このあたりが岩山になっており、木が無いゾーンであることがはっきりとわかります

 

そして、13時15分ころ、無事に薬師岳小屋に到着。

助かった・・・ 

 

薬師岳小屋

薬師岳小屋のホームページ:鳳凰三山 薬師岳小屋・南御室小屋

 

結局、雷に打たれたメンバーは、ケガも後遺症もなく無事でした。

ほんとに何もなくてよかったです。

 

もし、行程があと数分早ければ、ちょうど雷の落ちた場所に我々がいた可能性もあったので、無事だったことはほんとに幸運でした。

 

 

今年5月、2016年から8月11日が祝日「山の日」になることが制定されました。

しかし、8月の登山は天候が不安定で恐いです。

この季節に山に登るときは、十分すぎるほど天候の変化に気を使った方が良いということを学んだ登山になりました。

 

 

恐怖におびえながら薬師岳小屋に駆け込んだ2時間後、外に出るとそこには青空が広がっていました。「山の天気は変わりやすい」を身で感じることになりました

 

 


より大きな地図で 鳳凰三山登山(1) を表示

GPSの記録:距離 9.1 km、所要時間 5時間53分

 

 

☆ 山で落雷から身を守る方法

雷鳴が少しでも聞こえたら、すぐに安全な山小屋などの中に逃げることが大切です。

 

近くに山小屋が無い場合は、窪地など低いところに逃げ、姿勢を低くします。

当然、傘や杖など高さのあるものは持つべきではありません。

ただ、うつぶせにはならない方が良いようです。落ちた雷が地面を伝わってきて感電することもあるようなので。

 

高い木のすぐそばは、その木に雷が落ち、「側撃雷」によって感電する可能性があるので危険です。

とはいえ、木も何もないところにいると雷が直撃する可能性もあるので、窪地などが無い場合は、木から少し離れた場所にいるのが良いようです。

具体的には、3m~木の高さの距離、木から離れた場所が比較的安全みたいです。

 

詳しくはインターネットなどで情報収集していただければと思います。

快適な登山の知識「山の雷について」

登山時に落雷から身を守る方法 

登山における落雷対策 - 落雷対策.com